2009/2/4

稽古日記
 新しいお弟子さんはロシアからの留学生 


 私はロシアから来た留学生です。現在、東京の大学で日本語と日本文化ついて学んでいます。今回は私と琵琶との出会いについて話したいと思います。
 おそらく音楽に関心を持つ人は誰でも、好きな楽器があるのではないでしょうか。
 例えば、クラシックオーケストラを聞くたびに、特にチェロの音が深く心に響くという友人がいました。
 実は私もそういった経験がありました。それは、私が大学一年生のころのことです。以前より日本文化に興味があった私は、よりたくさんの日本文化に触れたくて日本についての本を読みあさり、邦楽を聴きまくっていました。
 ある日、何気なく尺八のレコードを買ったのですが、その中に琵琶の曲が入っていました。それは鶴田錦史の「敦盛」という曲でした。
 私はこれまで全く馴染みのない琵琶の音に思わず聴き入ってしまったことを覚えています。その不思議な音色、そして心の奥まで染み入るうたの悲しみが私の中に強く印象付けられたのでした。
 やがて私はインターネットを通じ、琵琶について調べ始めました。調べていくうちにますますその魅力に引き込まれていきました。そしてチャンスがあればいつか日本で琵琶を習ってみたいと思うようになったのです。
 それから五年が経ち、念願かなって私は現在、鶴田流の岩佐先生の下で琵琶を習っています。
 実際習ってみて、思うように声が出ないとか、指使いが複雑すぎるといった難しさを日々痛感しています。しかし、五年前に私の心に残った琵琶に対する強い印象は未だ私を魅了し、私を支えています。そして稽古のたびに琵琶を習えること、日本に来られたことに喜びを感じています。
          
                 ワフロメーフ・アナトリー
                       平成21年1月